2019.8.10(2019.9.5更新)
インプラントで乳房再建(表面がざらざらしたテクスチャードタイプ使用)をし、特殊ながん(ブレスト・インプラント関連未分化大細胞型リンパ腫:BIA-ALCL)を発症した方が日本でも1例確認されたと6月に報道されました。世界では死亡例が出ている事態を受け、7月25日よりアラガンジャパン社は、乳房再建用のエキスパンダーとテクスチャードタイプのインプラント(日本で保険適用になっている製品は同社のものだけです)の販売を停止し、自主回収を進めています。
あけぼの神奈川では7月6日に人工乳房の再建手術を数多く手掛けているブレストサージャリークリニックの岩平佳子先生の講演を開催しました。
講演の中でBIA-ALCLに関して岩平先生がおっしゃったことをまとめました。 (注:販売停止前です)
BIA-ALCLに関して
乳房再建には合併症のリスクがある。インプラントでの再建ではBIA-ALCLという特殊な合併症が起こり得るということも把握すること。
再建後の方へ
BIA-ALCLの発症頻度は大変少ないけれどもインプラントが入っている限り年1回の定期検診は必ず受けること。
テクスチャードタイプのインプラントをすでに挿入していても、症状が無い場合はインプラントの抜去は勧めていない。ただし異常を感じた時はすぐに受診すること。
再建予定の方へ
9月2日より、BIA-ALCLの報告が無いスムーズタイプのインプラントが再発売されるが、デメリットもあるので医師から十分な説明を受け、納得して選んでほしい。
なお一般社団法人 日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会のホームページで今後の対応などを確認することができます。
一般社団法人 日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会